あんずにっき

元役者が、役者視点でモー娘。や演劇女子部について語りまくります。

元役者が、いまさらながら『演劇女子部「続・11人いる!」』について、役者視点で語ってみる。

 初めまして。アンと申します。

 いきなりですが、私は、いわゆる熱心なハロオタではありません。元役者で、リリウムをきっかけにハロプロにハマり、以来モー娘。を応援しています。基本的に在宅ファンですが、彼女たちのコンサートや舞台のDVDを観るのをとても楽しみにしています。

 このたび、「ファラオの墓」公演に際して、現場へ赴くことができないので観劇はできませんでしたが、久しぶりに『続・11人いる! 東の地平・西の永遠』のDVDを観たくなりまして。繰り返し視聴し、改めて感動し、そういえば一年前、初めてこのDVDを観たときに感想を書き記したブログを作ろうかなと思って書いた記事があったことを思い出しました。当時は結局タイミングを逃してお蔵入りしたのですが、工藤遥ちゃんが女優に転身するということもあり、彼女たちの演技について語りたいなあと思いましてブログを作った次第です。

 彼女たちへの愛は大いにあるつもりですが、すこし辛口な部分もあるかと思います。もちろん過去のことなので、現在の彼女たちは当時よりもっと進化しているでしょうし、元役者として、こういう演技プランややり方もあるよ、というひとつの意見として聞き流していただければ幸いです。(繰り返しますが、私はファラオの墓は未観劇です。おそらくDVDが発売されたら視聴すると思います)

 また、これより下は一年前に書いた記事に手を加えたものなので、いま読むとちょっと変な言い回しのところがありますが、ご了承ください。あとめっっっちゃくちゃ長いので覚悟してご覧ください。

 

 

 さて。冒頭で話した通り、私が現在のモーニング娘。に興味をもったのは、リリウムがきっかけ……とは厳密には違って。

 ニコ動で、カラフル期のMVを見たことが最初のきっかけです。なんだこれダンスすげー! しかもみんな可愛い! と。そうしてほんのり興味をもったところで、末満さんが演出したモー娘。の舞台があるだと……!? と、リリウムを視聴。そこで鞘師や工藤の魂を削るような芝居に、あゆみんの将来が楽しみすぎる演技力に、小田ちゃんの素晴らしい歌声に感動し、ドハマりしました。それからは遡ってごがくゆうを、そして待ちに待ってトライアングルを視聴。その時点での私的な好みも、この視聴した順番通りでした。リリウムは舞台としての完成度も高く、役者の個性や魅力も存分に活かしていた。ごがくゆうは、演出や脚本に不満はあれど、キャラクターが役者にぴったり合っていたので、単純にみんな可愛くて好きでした。(内容は置いといてね!)

 トライアングルに関しては、実は「演出と脚本が役者をぶっ潰してる!」と相当に怒り狂い、「役者が可哀想!!!」と切に訴える記事を書いてブログをつくろうとすらしていたのですが、思いとどまった過去があります。そんななか、『続・11人いる!』の制作が決まったもので、「さらに男役を増やしただと…!?しかもオールWキャスト!アホなことはやめろ!!挑戦と無謀は大違いだぞ!!」なんて思っていたのですが、DVDを観てみれば、多少の不満はあれど、思っていたよりもずっと、ずっと良かったです。(これモロに一年前に書いたとこですね)

 

 まずは全体の総評として良かった点。演出・脚本・音楽、そして配役が、ほぼ文句なしに良かったところ。

 トライアングルの時に、本当にひどかったこれらがすべて改善されていて、本当にうれしかったです。が、しかし。

 

 悪かった点。

 振 付 が ク ソ 。

 

 あぁ、口が悪くてすみません。でも言わせてください。振付が!!!!クソ!!!!!

 あのうこれ、ミュージカルですよね。ダンスショーじゃないですよね。アンサンブルがユニゾンで歌って踊るときなんかはまだいいんですが、メインキャラクターが感情をたっぷり込めて歌い上げるときに、振付が邪魔すぎて本当に気になりました。あれじゃ役者が可哀想。絶対にやりづらいです。

 ミュージカルにおける楽曲は、台詞です。登場人物の感情です。歌唱のあるものは、言ってしまえばそれだけで意味は伝わります。演技力のある役者であればあるほど、一言に込められる感情はたくさんです。歌詞や表情でわかっている情報を、さらに手振りや手話ダンスで繰り返す必要は無いと思います。

 振付はあくまで、演技の延長線にあるものです。「聴かせる」力を持つ役者が演じるならばなおさら。工藤、石田、佐藤、牧野あたりは、完全に振付に潰されていました。変な制約があるから自由にできない。せっかく芝居で動いた心が、自分の身体を動かそうとしているのに、決められた突拍子もない振付に引っ張られて、本当に可哀想でした。小田・譜久村はそのあたりをうまく力を抜いて器用にやっていましたが、それでも「これ必要ないな…」と思ってしまうほど、クソのような振付でした。特にやたらとクルクル回らせるのと、右へ左へと妙に動かさせるのと、手話。ウエストのフォース&チュチュなんて、フュージョンでもするのかと思った。

 

 という具合に、振付さえ! 振付さえなければ、本当に素晴らしい舞台でした。

 好きなところいっぱいあります。ウエストとイースト、どちらが好きか選べと言われたら、ほんとうに悩んでしまいます。悩んだ末に答えは出したんですけどね。結論は記事のラストで書くとして、東西それぞれ、感想を書いていきましょう。

 

 ちなみに、私はウエストから先に観ました。直感で、こちらのほうが概ねキャストがしっくりくるかなと思ったので。次いでイーストを観たのですが、そこでようやく物語をきちんと理解できた感じでした。原作は『11人いる!』の方しか知らないので、細かいところまでは前知識が無かったのです。ウエストでは頭のなかを流れていったものが、イーストでストンと落ちたというか。そのあともう一度ウエストを観ると、また世界がまったく違って見えました。面白いですね。

 

 

 まずはウエスト。キャスト別の感想など。

 

【タダ:工藤遥

 正直に言えば、「あぁ、いつもの」という印象でした。

 工藤ちゃん大好きです。ショートカット女子が大好物なので。それに加え演劇女子部では私的に、演技力もかなり高く評価していました。リリウムでのファルスは圧巻でした。まさに永遠の少年のような歌声。狂気を帯びた、けれどさみしげな瞳。なんだこれすげえ、と、いっきにファンになってしまったのです。ごがくゆうも可愛かったなあ。トライアングルも、演出部に文句はあれど、あのやりづらい脚本のなか、よくぞあそこまで好青年を演じきったなと思いました。

 でも今回は、タダに関してはちょっと、停滞を感じたかな。良くも悪くも、男役が板につきすぎてしまって、安定してしまった。「かっこいい男の子」だったけど、「タダ」ではなかった。(原作通りの、という意味ではなく)もっと深く、タダという役を突き詰めてほしかったなと思ってしまいました。力があるとわかっているだけにね!

 劇中、「チャラい」とフロルが何度かタダを表しますが、本当にチャラいわけではないんですよね。タダはみんなに優しいだけ。フェミニストなだけ。でも工藤のタダは本当にチャラそうに見えてしまったというか、フロルのことを心から愛しているのか本当にわからないというか……。中高生くらいの、初めてできた恋人に浮かれて頭んなかエロいことでいっぱいの男子というか……なぜでしょう、脚本のうえでは誠実なタダなのに、誠意が見えてこなかったんです。フロルを見る目に愛がない。どころかすこしウザそうというか、面倒くさそうに見えてしまった。なんなら大学でモブ女子に囲まれてるときの「まんざらでもない」感ある顔のほうが鼻の下伸びてる感じで嬉しそうに見えちゃったよ!!!

 だからラストで指を切る云々のときに、フロルが「おまえの気持ち、伝わってくる…」と涙を流しているのを見ても、え、ほんとに?伝わる???となってしまった。

 工藤はタダとフロルという、重大すぎる二役でした。しかもその二役が恋人同士。自分も逆班で演じている役を恋人として見るのはとても難しいことだったと思います。ひょっとしたら、工藤は今回、フロルのほうに心をもっていかれていたのかな、という印象でした。そして私の目には、フロルのほうが断然はまり役でしたよ! 工藤はあのハスキーボイスで超女の子なとこがかわいい。キャンキャン吠えるけど女の子なとこがかわいいんです!!!

 あと、かっこよさを重視すると、工藤は素直に台詞を言えなくなる傾向にありますね。リリウムまでは自然と出来ていた、「相手の演技を感じる」こと、そしてそれをうけて素直に台詞を発すること。台詞の前に意味なく間をおいたり、ちいさな「ん」を入れるような息遣いはテンポを悪くします。小田ちゃんがかなりテンポをためる癖のある子なので引きずられたところもあるのかもしれませんが、そのせいもあって二人のシーンになると流れが止まってしまいます。

 いきなり苦言ばかり申しましたが、しぐさや歌声はとても良かったです。もう男の子そのもの。ただし今回はそういう「男役のカッコよさ」が武器になる役では無かったのも敗因ですね。ただかっこいいだけではだめだった。ウエストのタダとフロルは、舞台を通しての役割というか、立ち位置がうまくとれていないのが残念でした。

 

【フロル:小田さくら

 可愛かった。とっても可愛かったよ。小田ちゃんマジフロル……。アニメのフロル知ってるひとならみんなびっくりしたと思う。似てるとかじゃなく、小田ちゃんはフロルでした。特徴をとらえて、でもムリなく自分のものにしているというか。ほんと可愛かった。

 ただしこのカツラを用意したスタッフ。おまえだけは許さない^^(イーストの工藤にも言えることですが)

 なんなのこのカツラ!?!?!?!?!?女子高生かよ!?!?!?!?!?!?

 フロルだよ!?!?!?フロル!!!どうせカツラにするならもっとがっつり金髪巻き毛ロングのふわっふわのやつにしてよ!!!2人とも絶対そっちのが似合ったよ!!!!! 衣装もサイズ感もうちょい考えてよ!!!小田ちゃんの女の子体型でこの衣装だと、もう女の子にしか見えないよ!!!!!

 そう。小田ちゃんに関して言えることは、「そもそも配役に無理がある」です。

 いや、小田ちゃんは可愛い。そして上手い。とっても器用。だからとてもフロルだったし、歌もダンスも素晴らしかった。演技も可愛かった。「な!ん!ね!い!」とか奇跡のような可愛さだった。でもね。小田ちゃんって女の子じゃないですか。いやわかってる、出演者全員女の子だよ。でもきっと小田ちゃんって、その誰よりも女でしょ。本能的な部分が女。だからフロルの中性性が皆無で、一人称がオレなだけの女の子にしか見えないんですよ。間違いなくフロルなんだけどね。不思議。

 なもんだから、「オレ、男でも女でもないし」とか「女になっても、美人になるかどうかわかんないぜ」とか言われてもいまいちしっくりこないし、タダとのロマンスに重要性を感じなくなってしまう。工藤が軽いのでなおさら。

 ここで出してしまいますが、イーストはそのへんうまくかみ合ってるんですね。タダとフロルにとって、2人の恋がとても大切なものだから、戦争という重たいテーマのなかでも浮かない。でもウエストの2人は、初めての恋ではあるけれど、彼らの人生を左右するほどのものとは思えなかった。そこが東西で一番の違いだと私は思います。ウエストのタダとフロルは、はっきり言ってしまえばこの物語にはあまり必要のないキャラクターになってしまった。とっても可愛かったけどね。彼らが出てきてケンカをするのも、なんだかバカップルがイチャイチャしているだけに見えて、せっかくの緊迫した空気が崩れてしまうんですね。先ほども言いましたが、指を云々のところは「何やってんだこいつらこんなときに…^q^」となってしまった。

 トライアングルのときも思いましたが、事務所は小田ちゃんの使いどころをわかってない!!!!!そうじゃない!!!!そうじゃないんだよ!!!!!小田ちゃんにもっとぴったりくる役をあげてよ!!!!!鞘師レベルの衝撃を観客に与えられる力を持ってるはずなんだから!!!!!

 あとちょっとアレなことですが、でもどうして主張したい。「オレ、おまえがそう言うなら…女になってもいいや」のあと絶対おせっせしただろ、と思ってしまうほどのお色気があった気がするんだけど気のせいじゃないよね……?^q^ 目を合わせて言うからですかね、まるでお誘いの言葉のようでしたね。「やっぱり、熱があるみたい」のあともおせっせしてる。このふたり!!!!!おせっせしてるくせに!!!!!いまさら肩抱くくらいでなに言ってんの!?!?!?チューのひとつやふたつ日常茶飯事やろ!!!!!!!!!最後なんて工藤の胸ぺたぺたしとるがな!!!!!!!!!

 失礼。取り乱しました。

 胸ぺたぺたはアレです、あの、真面目な話、あそこはタダに触れないほうが良いな。

 小田ちゃん、付き合って数カ月、まだ肩も自然に抱けないような若い恋人同士のパーソナルスペースはそんなに狭くないんやで……フロルがタダをまったく意識してない状態ならいざ知らず、あんなぺったり長時間は触れてられない。というかむしろお誘いに見えましたねアカンよアカン!そのあとタダが抱きしめるもんだからお誘いにまんまとひっかかったみたいに見えたアカンよアカン!!!!!!!そういや時系列少し戻りますがザ・ワールド解ける寸前の「タダっ……!」ってフロルが抱き着くとこ、タダの抱きしめ方の質もちょっとあれ違ったね、工藤タダのハグは『泣かなくていいよ、僕の可愛い子ちゃん』的なやつでしたが、ちゃうやろ、あれはタダもフロルとの別れがあるかもしれんことを覚悟しての抱擁でしょ、そこに下心はあっちゃダメなのよ!!!!下心が!!!見える!!!!!!

 失礼、取り乱しました。(二度目)

 あ、小田ちゃんの歌はやっぱりすごかったですね。「好きだから・・・」の歌声はやっぱり心を震わせられるものがあった。けど、小田ちゃんの歌声にフロルという役が合っているかというとそれは微妙なところで、もっともっと小田ちゃんのキャラクターや歌声を活かせる役があるよなー、というのが正直なところ。その点ならばフォースのほうが合ってましたね。

 あと工藤のところでも言いましたが、小田ちゃんは台詞をためる癖をちょっとどうにかしたほうが良いかもしれない。というかもしかしたらそういう問題だけじゃないかも。これ器用な子とか、アニメ好きな子とかに多いんですが、「台詞をそれっぽく読める」がゆえに、それに自らが酔ってしまって、「相手に伝える」ことがおろそかになっちゃうんですよね。野中もこのタイプ。しかも自分の中で感情つくることにも長けてるので、自分ではとても演技できてる気分になる。でもね、本当はもっとできるんだよ。ひとつひとつの台詞、それを言う意味、そのために生まれた感情、その感情のもととなる出来事……いろいろと照らし合わせて組み合わせていくと、いまよりもっとスマートに、明確に、複雑な芝居ができるはず。

 歌も、小田ちゃんの場合はうまく歌おうとせずに感情重視でやるのがちょうどいいだろうなあ。

 それと細かいところの例をあげると、タダがフロルを置いていこうとしたシーン。「黙ってたらわからない。お前の気持ち、わからないよ」「……(タダ黙り込む)」「何とか言えよ!!」のとこ。ここね、これはイーストのフロどぅも惜しいとこなんですが、ここ演出もうちょっとうまいことやってあげてほしかったですね…!!!

 小田ちゃんは特に、前半タダを責めてるだけに見えるんですが。これの「お前の気持ち、わからないよ」は、かなりのキーワードですよ。物語前半でオナに、タダの気持ちが見えなくて不安になる、ってうちあけるでしょ。あれが活きてくるのがここですよ!!!! 最初は怒りにまかせて責めてるんだけど、でもずっと心の奥底では不安がつきまとってて、それがこの「お前の気持ち、わからないよ」でついウッカリ表に出てしまうんですよ。工藤はかなり惜しかったけど、ちょっとしっかり「お前の気持ちがわからない」ってタダに伝えすぎちゃった。ここはもっと弱っちくなってもいいの!!!タダのことが好きだから不安になってるの、タダと出会ってから、タダを好きになってから弱っちくなっちゃったの!!!でもそこが最高に可愛いんじゃないか!!!!!!!!!

 はああああ~~~~~~フロルの最大の萌えポイント逃してるぞ演出!!!!もったいない!!!!!!

 あと個人的にはタダみんと小田フロルの組み合わせも見てみたかったなと思います。というか、タダみんと組んでたら小田フロルはちょっと変わってたかもしれない。ううーん、見れないのが残念。

 

【バセスカ:佐藤優樹

 さて、ウエストの感想で欠かせないのがこの人。王様を演じたまーちゃんです。

 私、繰り返し視聴してて気づいたんですが、ウエストとイーストでは完全に泣きどころが違うんですよ。これについては後でまた語ると思いますが、結論から言うと、イーストではタダ&フロルに、そしてウエストではバセスカ&フォース&チュチュに泣かされるんです。

 はっきり言って、ウエストの主役は完全にバセスカだったと言っても過言ではありません。

 というか物語において、変化し、進化するのが主人公だと思うんですよね。そしてそういう人に観客はいちばん感情移入する。まーちゃんのバセスカは、そういった意味では見事な主人公でした。

 冒頭は「王族として生まれ育った」ことがよくわかるような高圧的な空気感をまとっていて、けれど友人たちと出会ったことですこしのやわらかさが生まれた。自分の国では王として必死に国をまとめようとしているけど、彼はまだ若いんですよね。立派な王になろうと自身を鼓舞している。バパ大臣に対してはなった「私は何者だ! ……何者だ」の言い方からも、良くも悪くもプライドが高いことが伝わってきます。

 そんなバセスカが、親友であるフォースを失ったことで初めて、「真の王になる」んですよ!!!!!!!!!!!!

 もうね、あの「王の務め」は涙が止まりません……

 素晴らしいなと思ったところがたくさんありすぎるので箇条書きにしようと思います。

・オナを見る目が愛に溢れていた。

・フロルやオナ、チュチュなどの女性陣(おそらく王様にとってのフロルは女子)に対する態度が超絶紳士的だった。王族ですからね、絶対そうなるよね、女性の扱いは心得てるよね、エスコートも完璧だよね……

・「ナイフを隠し持って、あいつらをぐさー!!」に対しての「そしてその次の瞬間、私も八つ裂きか…」がマジ紳士的。フロルなんで王様に惚れへんかったんや……めっちゃええ男やでこれ

・「何もかも誤解だ。誤解なんだ」が、ほんとうに心から、誤解を解こうとしている、とてもシンプルな解釈なのがぐっときた。

・「彼は私を殺しに来たと言った! 私をだ、私を! …私は死ぬのが嫌だった…! でも、こんなのはもっと嫌だ! いやだっ……いやだあああああああああああああああ」が完璧。

・フロルが指を切られそうになって「サインをしますか?」と言われたとき、まーちゃんの王様は悔しながらもあまり迷わずサインすることを選ぼうとしてた。なんだこれイケメン……フロルの指をこのパーフェクトフェミニストイケメンバセスカ様が切らせるわけがなかった……

・「友を傷つけ、力なき民を傷つけ、……何が王か」の静けさ、間が完璧。緊張感が保たれすぎて泣けてくる。

・「我々は、和平を望んでおります」をうけての、かみしめるような「和平に応じる」が最高。表情から声音から仕草まで何から何まで最高オブ最高。あのシーンにおいてあれ以上のものはあり得ない。はるなんの素晴らしいおじさまとの相乗効果で涙がぼろぼろ出てくる。(ただし、まーちゃんの好演と相反するようにタダとフロルの「この子たちなんでここにいるの?」感が強くなっている)

・バパ大臣への「私は、お前が好きだった」 最高オブ最高。あと、薬をあの位置に置くのは大正解ですね。光を受けて薬が良く見える。イーストでのふくちゃんの置く位置ではほぼ見えなかった。(ここだけではないですが、わざとかなっていうくらい東西で細かい演出変えてますよね。たぶん演者が自分で考えてるんだと思う。ダブルキャストの場合、役者ってついつい、逆班の芝居と違うことやりたくなるんですよね、意地もあって。でも、明確に一方のほうが良い場合は演出家の判断で変えさせてもいいんじゃないかなとも思います。もったいないもの)

 総合的に見て、まーちゃんは芝居のテンポが良いんですよね。天性の感覚だろうなあ。たまにそのテンポが崩れる瞬間があるのは、まぁ単純に稽古不足でしょうね。もっとじっくりひとつの役に向き合う時間があれば、もっともっと完成度が高くなったことでしょう。

 あとは先ほどからの観点でいくと、まーちゃんは芝居が素直なのがとても良い。台詞を飾り立てようとしない。自分の内側で無理に感情を湧き立てようとしない。だからこそ言葉が、しぐさから伺える感情がシンプルに伝わってくる。それが多少拙かろうが気になりません。だってそこには確かな感情があるから! まりあもこのタイプですね。

 たぶんまーちゃんは、演出家がいちばん「こいつを育てたい!!!」って思うタイプの子だろうなあ。というか私がそう思います。底も天井も見えない。

 

【フォース:石田亜佑美

 私が私的にかなり演技力を支持しているのが彼女、あゆみんです。

 あゆみんに関しては、イーストのタダが最高だったのでそちらでしつこいくらい語ると思いますが、フォースもやっぱり上手でしたね。

 ただ、これはあゆみんだけじゃありませんが、「男役」ということにとらわれすぎてるかなあ、と。というか演出部の問題ですね。もっとうまいこと役作りさしたれ。

 というのも、男役がみんな、イケメン芝居になりすぎてるんですよね。宝塚でいうなら、全員がトップスターの芝居をしてる。ドラマでいえば全員キムタクですよ。

 二番手や三番手にはそれぞれの役割があるんですよ。ひょうきんだったり、三枚目だったり、いろいろと遊べるのも脇役の美味しいところ。というか、役を突き詰めていけばおのずと役割が見えてくるはずなんです。この舞台における主役芝居、つまりイケメン芝居をすべきなのは、どう考えてもバセスカです。それなのに、ウエストではタダもイケメン、フォースもイケメン、なんなら石頭までイケメン。おいおい、ちょっと待て、無個性か。

 ということで、フォースはもうちょっとおちゃらけた、軽い青年でも良かったですね。前半は軽いノリでタダとフロルのことをからかったり、無邪気に王様に会いたいと言っていたりして。そんな彼が、戦争という波にのまれて追いつめられていき、究極の選択を迫られる。そこで前半の軽い姿とのギャップが活きてくるでしょうが!!!あんなお気楽そうだった青年がこんな大変なことになっている!!!そういうギャップ萌えもっと使っていきなさいよ!!!!!

 若い子が男役をやると、どうしてもイケメン芝居にいきがちです。それを全体のバランスをみて軌道修正するのも演出部の役目でしょう。まぁ、娘。以外の子たちが徹底してモブ演技をしてたので、そういう意味では娘。との格差が出てましたが、そんなものはむしろ無用の格差です。

 と、かなり熱くなってしまいましたが、あゆみんの演技はほんとに良かったですよ!

 「迷いの森」の、「彼が死ねば戦争は終わるのですか」の出だしでもうゾクゾクしてたまらんです。(あれははるなんの総議長も良すぎた、掛け合いが高まりすぎて震える)あゆみんのフォースは、宇宙大学に潜入してからもなお、王様のことを信じたいと思ってる。心の端では信じてる。でも実際に大切な身内を亡くして、さらには妹まで人質にとられていて…――友達を信じたいけど、もうそんなことを考えている場合でもない。限界まで追い詰められている、フォースというひとりの若い青年の苦悩がありありとわかります。ただ、クソのような振付にふりまわされてるのがとても可哀想でした。やりにくいからあれ絶対!!!

 銃をカチャってしてからの、しゃがんで、王様がそこにいることに気づいたときの目線がもう、完全に覚悟してる人間だった。殺意がこもってた。狂気があった。スゲエよあれ。

 「僕らの信念」のラストでは、「王様ああああああああああああ!!!」からの覚悟、決断、衝撃、静けさ、という流れが完璧でした。そっからのバセスカの叫びもあって、もう、もう、泣くしかないでしょおおおおおおお

 

【チュチュ:牧野真莉愛

 巷では賛否両論あったようですが、私はまりあちゃんの演技、かなり高評価してます。なんならトライアングルでスワスワしてたときからできる子だと思ってたよ!!!「スワ~~~」だけで完璧に芝居できてたもの!!!

 というか芝居やってた人ならみんなわかると思うんですが、壮絶にカンが良いですよこの子。めっちゃ気持ちいいタイミングで動くし、しゃべるし、黙る。ほんとに見てて気持ちいい。台詞が聞き取りにくいだとか、激昂すればいいと思ってるだとか、いやいやそんなんじゃないんですよ。だってチュチュは激昂してるんですよ。兄とおじさんを殺されたんですよ、激昂するしかないでしょ!!!あれが大正解ですよ、チュチュの怒りと悲しみが伝わりすぎて、もう後半からはチュチュが出てくるだけで泣けてきます。

 この物語において、フロルが表のヒロインなら、チュチュが影のヒロインですよね。そしてバセスカとともに、もう一人の「変化するひと」でもある。最初ののぽぽんとした憎しみやら怒りやらといった汚い感情なんて何も知らない箱入りのお嬢さんが、おじさまとお兄さまを殺されて決意して、凛々しいいでたちで登場して。「――私、男の子に生まれればよかったわね」ですよ……!!!!もうあの一言だけで悲しくて泣ける。争いは、こんないたいけな少女を闇に落してしまったんやで……

 まりあは立ち姿がきれいなのも良いですね。ほんとに凛々しくて、美しいからこそ可哀想だった。「おやめ、何を言うの」とか「ほう、約束をするだけの誇りがおまえにあるの?」とか、お育ちの良い高圧的な口調が、品があって素晴らしかった……そしてマジで可哀想だった

 あと個人的に『んああ!!最高!!!』ってなったのは、タダが発信機に気づいたときの「もう遅いわ……」のタイミングと言い方と仕草。なにこれパーフェクトですよ。最高に気持ちいいタイミング!

 タダとフロルの指が切られそうになるのを見ているときの「やめてえええええ」も良かったし、バセスカに対する感情の変化もとても良かった。まりあチュチュは最終的にバセスカに恋してたね。でもそれは単純な恋心ではなくて、兄のこと、国のことを思っての複雑な、けれど確かな愛でした。(突然のポエム) ローンおじさんが生きてたときの喜びも最高でした。嬉しいだけじゃなく、フォースが死んでしまったことの悲しみも彷彿とさせる、とてもよい演技でしたよ!!!

 チュチュとバセスカが結ばれたことが、ほんとうにとても嬉しかった。末永くお幸せに!!!

 

【オナ:譜久村聖

 いつものフクちゃんでした。

 というか、一生独身の神に仕える身というよりは、最初のダンスシーンなんかはもう、完全にアカン踊り子やろこれ……おいおい衣装のエロス感どうにかしろ……振付もどうにかしろまりあのほうと交換しろ……おいこれ誰の趣味や…演出家かプロデューサーか知らんが絶対「俺の思う最強にえっちい譜久村」つくろうとしたやろ……大成功やけど舞台としてはアカンわこれ背徳的過ぎて観てられんわ……

 非常に安定してましたが、うーん、インパクトは薄かったですね。

 巫女さん感を出そうとしすぎた結果か、感情を抑えられすぎてて、バセスカのこと好きそうなのがあまり伝わってこなかったというか。立ち位置的にはオナも第三の、というか孤高のヒロインなんですが、なんかもう最終的には神様みたいになってましたね。バセスカにチュチュがキスをするときの背後で歌うオナのシーン、『すべてはオナという神の化身の思うがまま……』みたいな気配がした。なんだろうあれ。イーストではまた別の感想になったので、やっぱりこれは演者によるところだなあと。

 

【レッド:岸本ゆめの

 最高。

 多くは語りません。最高でした。

 いやー、上手ですね! 説明台詞がほとんどですが、上手にしゃべってくれるのでわかりやすい! ていうかほんとカッコいい! バセスカと同じくイケメン芝居が許されるポジションですが、単純なイケメンではなくちゃんとキャラクターを理解したうえで演じてくれてる感じだったので、安心して観ていられました。殺陣も上手ですね。

 レッドだけでなく、モブとしても彼女が出てきてしゃべるとすごい安定感がありました。

 

【トマノ:尾形春水

 がんばってましたね。

 よっぱらいの動きはほんとうに頑張って研究したんだろうなあというのがわかりました。ああいうぶっとんだ役は、やりきるのが難しいもんです。年頃の女の子ならなおのこと。

 ラストの「ごめんなさい」とぶっちゃけるときの言い方がくっそ可愛かったですね。

 ただ、深みのない役だったので、もう一歩芝居のなんたるかに踏み込むことはできなかったのではないかなと思います。イーストのほうは深い役でしたが、それはまた後程。

 

【石頭:生田衣梨奈

 えりぽんがんばれ。

 いや、がんばってる。えりぽんは頑張ってる。でもたぶん根本的に男役がほんとに向いてない!!!

 謎にイケメン売りされてるえりぽんですが、私は彼女は、娘。内でいちばん男から遠い子だと思ってます。

 かっこよくしゃべろうとか、男っぽくしようとか、そういう技術的なことを考える必要のある役の前に、彼女にはまず、素に近い状態で演じられる女の子の役をじっくりさせるべきでしょう。(ファラオの墓ではようやく当たり役がきたようで、とても楽しみにしています)そうして芝居に慣れたところで、ようやく男役ですよ! まずきちんと舞台に立つところから始めましょう。話はそれからです。

 というか、もうちょっと落ち着いてゆっくりしゃべっていいんだよ、って誰もアドバイスせんかったんか……したんか……?

 イーストでのタダ親衛隊的な女の子たちのなかに混じってるときは自然でとても良かったですね!

 あと、だんだんえりぽんが石頭に見えてきますね。えりぽんと石頭似てるよね。つぶらな瞳とかそっくり。

 

【ローン:飯窪春菜

 飯窪さん好きです。

 はるなんのローンおじさまがあったからこの舞台は美しく幕を閉じれた。本当にそう思います。「和平を望んでおります」素晴らしかった。

 ただ、総議長様とローンの二役は無理がありすぎた。どう考えても「!?おいおい、ローンおじさん生きとるがな!!!いやもしかして双子か!?」ってなるでしょ!!!!もうちょっと考えてよ演出部!!! 総議長様も良かったけどね!!!!! っていうかもしかして双子設定だった!?!?

 はるなんは本当に上手なので、いつか彼女の魅力を最大限に活かした舞台も見てみたいなと思います。もっといい役させてあげてよ……! リコリス最高だったじゃないの!!!!! ああいうゾクゾクするやつちょうだいよ!!!!!!

 

アテナイ山岸理子

 かわいかった。安定してかわいかった。

 

【アマン伯爵:野中美希

 おいおい……アマン伯の出番あそこだけかよ……わざわざ「アマン伯!」「アマン!」とか呼ばせるくらいならそれまでにも見せ場作っとけよ……

 芝居について語るほどのアレがないですね……。アマン伯に関しては、イーストのキキちゃんのが印象強かったかなあ。

 

【ドゥマー:羽賀朱音

 あかねちんがんばってた。

 しかし、あかねちんもえりぽんと同じく、もうちょっと場数ふんでからですね。

 といっても、あかねちんはトライアングルでリベットを演じてますので、ある意味あそこで場数はふんでます。でも、だからといってこの若さの子にこの役は無理がある。もうちょい癖のある女の子役とかで経験つませたかったですね。

 

 総評:ウエストの主役は、バセスカとチュチュでした。

 

 タダとフロルの二人が、「主役だけど狂言回し」という微妙な立ち位置をうまくとれていないゆえに、二人が出てくると物語のスピード感が停滞してしまうところがありました。しかし、キャラクターの濃さや熱さはとても良かった。見終わったあとの「よかった…ハッピーエンドや…ようやくバセスカもフォースもチュチュも、苦しみから解放された……(´;ω;`)」感がすごい。

 

 

 続いてイースト。個々のキャストについて。

 

【タダ:石田亜佑美

 イーストの完成度を底上げしているのは、間違いなくこのひと、あゆみんです。

 最初に言います、べた褒めしますよ。褒めるとこしかないですよ。

 ウエストでは完全に物語の輪から外れてしまっていたタダとフロルですが、イーストではきちんと当事者として、けれど物語の行く末を見守るひととして存在しています。それはあゆみん演じるタダが、とても誠実にフロルを愛していて、それが間違いなく一生に一度のとても大切な恋だからです。

 仕草や声色が男の子なのはもちろんですが、そういった外側のことではなく、あゆみんのタダは、本質的に「タダ」という男の子でした。ほんとうに、タダという人がそこにあった。あの舞台の上で生きて、フロルを大切に思っていた。それが何よりすごいところでした。

 終始、フロルを見つめる瞳の優しいこと……! かける言葉の愛に満ちたこと……! でも不器用で童貞で、女の子の扱いに慣れていないのと、言葉で言ってもらわないとわからないフロルにはなかなか気持ちが伝わらない。でも観客にはずっと、彼がフロルを大切にしてることは伝わってます。だから彼ら二人のシーンにストレスを感じることがなく、バセスカやフォースの悲痛な運命に入り込むことができるのです。

 あとあゆみんは芝居のテンポがとても良い。それに引っ張られてか工藤も素直に演技してたので、二人のシーンでも中だるみしないのが良かったですね。

 語りつくせないほど良いシーンがあるので、これもまた箇条書きで。

・冒頭、「僕と結婚しなよ」が最高。工藤のタダは、若干「どや、嬉しいだろ」みたいなチャラさがありましたが、あゆみんのタダは本当にフロルのためを思っての、そして、純粋にフロルに恋をしているからこそ出た言葉だなと思いました。そこからの「だって、俺が女になるの、ずっと先だぜ」「待つよ」「美人になるかどうか、わからないぜ」「きっと、美人になるよ」の掛け合いが本当に最高でした。

 女になりたくない、女になるくらいなら死んだ方がマシだ、とまで言っていたフロル。でも、それにはフロルの国は一夫多妻制で、しかも長子以外は強制的に女にさせられる、という背景があるからです。宇宙大学への入学という名誉ある経歴があれば、末子のフロルでも男になることが認められる。これって、たぶん男尊女卑もひどいですよね。そういうこともあって「俺は男になる!」と言い放ち、おそらく小さいころから自分を男と思って生きてきたフロルですが、あのタダみんからの無垢なプロポーズがどんなに救いになったろうなあ、と、もうおばさん冒頭で号泣です。あんなの恋に落ちるしかないわ!!! 演出的に難しいとこもあるかもしれないけど、続じゃなくて11人いる!のほうもタダみんとフロどぅで見たかった……。

・「フロル。僕の、恋人です」の照れくさそうに、でも誇らしげに言うところがパーフェクト彼氏。

・中盤は狂言回しに徹してましたね。おかげで物語が見やすかった。でも印象が薄くならないのは、常にフロルへの愛情が見えていたから。

・「別れよう。……連れていけない」からの、ビンタ、からの「お前勝手だぞ!!!」をうけての「……そうかもね」が最高。大正解。パーフェクト。あそこは工藤も役にピタッとはまってるので、もうホントに見てるこっちの心臓が張り裂けそうですね。好きだから言えない、が見事に表現されてる!!!

 あと細かいですが、その前でフロルより上手に移動してたことで、フロルの「タダ!タダっ…、タダぁ!」の三段階がやりやすくなってた。これ考えたのあゆみんかな、工藤かな、二人でかな、自然にかな。どちらにせよ、二人の息がぴったり合ってるのが終始気持ちいいですね。

・「僕の指を切ってくれ!」がギャグじゃない。

 あそこの拳でドンっと叩くの、タイミングも音の質も完璧ですね。場の緊張感を崩さず、空気を変えられている。ウエストの工藤の平手は「ぺちん」なので、ちょっと間が抜けてしまう。

 そしてそこからの、「初めて君を見たとき思い出した 小さなときに見た野に咲くバラの花を」がすごい。愛に溢れすぎてる。もう完璧に初恋。誰がどう見ても初恋。フロルのこと愛しまくってる。フロルの「タダ……おまえの優しさ、伝わってくる……」に同調して、こっちもボロボロ涙が出てしまう……! この二人なら、もう時空を止めて二人の世界になってても仕方ない…指を切られるだけじゃなく死んじゃうかもしれないのよ、今生の別れかもしれないんだもの、思う存分愛を確かめ合わせてあげなきゃ…! ムスカでも三分待ってくれるんだから!!!! ってなもんですよ!

 ここの二人のダンスも、ぜひじっくり見てください。タダみんの!!!フロルへの愛情あふれるエスコートを!!!!!!あれだけで泣ける!!!!!自分をかっこよく見せるかっこよさじゃない、誰かを心から愛する人間のかっこよさだ!!!!!

・フロルが「俺、これからは何があってもお前のこと信じる」と言ってくれたラストシーン。いままで自分のことを疑ってばかりいたフロルが、です。タダにとってはとっても嬉しいことでした。だからこそ、こちらも真摯に、これまで言葉が足りなかったことを改めて、言葉で愛を伝えようとするんですね。その流れが本当に良かった。ウエストの工藤タダはここでもちょっとかっこつけすぎて、ただ熱に浮かされて口説いているようになってしまって、しかも小田フロルがタダの胸ぺたぺたするもんだから余計に妙な空気になってましたが、イーストは自然な流れでしたね。抱きしめ方も素敵だった!

 長々語りましたが、まだ語り足りないくらいです。常にフロルを気遣いながらの芝居なので、タダの良かったシーンはフロルの良かったシーンでもある。二人でひとつの役目を担っているので、これがベストの関係ですね。

 残念なところをひとつあげるとしたら、やっぱりクソのような振付にふりまわされてたこと。「小さな」の手話いらないよ!!!右へ左へ移動いらないよ!!!!自由に歌わせてあげて!!!!!  歌を歌ではなく、台詞としてあつかえる子ほど、振付にふりまわされる傾向にあります。(小田ちゃんやフクちゃんはミュージカルにおいても歌は歌なタイプで、かつ小器用なのでうまいことやってましたが)私的には歌は台詞だと思ってるので、彼女たちにせっかく生まれた感情が振付に殺されるのがすごくもったいないと感じてしまう!!!私が演出だったら絶対、「好きだから……」と「迷いの森」と「王の務め」は振付廃止しますね。いや私演出じゃないけどさ!!!!

 結論として、タダみんは間違いなくフロどぅを幸せにしてくれるので、もうそれだけでハッピーエンドだし、泣けます。ありがとう。お幸せにね。

 

【フロル:工藤遥

 可愛かった。あ~、これこれ、これが私の見たかった工藤遥!!!って感じでした。

 工藤も、もとをただせばリリウムのファルスで男役がウケたことがきっかけで、翌年はアサダを演じ、ハロ内でもイケメンキャラを前面に押し出してましたが、私的にはこの子も、「※だけど女の子である」ことがポイントだと思っていて。声こそハスキーだけど、でも実はとても女性的でしょ。男役を多数演じることで技術を得て、男っぽい仕草や声音、話し方を身に着けた。でも、工藤の魅力ってたぶんそこじゃない。じゃあどこかって??? 「こんなイケメンぶってイキがってるのに、本人は気づいてるかわからんが実はかなり女の子っぽい」とこだよ!!!!! それがフロルとがっちりハマってましたね。

 でも欲を言うなら、工藤ならもっとフロルの曖昧な性別を表現できたんじゃないかな、ということ。

 フロルは現在男でも女でもないわけですが、おそらく物心ついたころから、自分を男と思って生きてきた。つまり、たぶん性自認は男性なんですね。だから口調も仕草も声の出し方も男の子なんですよ。でも、タダには自然と一目ぼれしたようなもんなので、本能的なところは女性なんだなあ、たぶん。男の子なんだけど、タダに対する恋心は男の子のそれじゃないの。 ……みたいなところをね、工藤ならもっといけた。ちょっと女の子に寄せすぎちゃったかなー。っていうか小田ちゃんも含めこの舞台のフロルの役作りは、演出家とかプロデューサーの感覚でこうなったかな、という感じがする。男性の考えるフロルだなって感じ。ううーん、もったいない。突き詰めれば突き詰めるほど面白い役だぞ、フロル!

 さて、お芝居もかなり安定していたフロどぅですが、何よりたぶん、あゆみんがうまくリードしていたことで、非常にやりやすかったのではないかなと思います。工藤は、基本的には素直に受動的な芝居ができる子なんですよ。自分のなかで感情を高めるのではなく、相手の感情をうけて自分の感情が生まれる。その感覚をぜひこれからも大切にしていってもらいたいですね。

 箇条書きタイムです。

・歌声が可憐でとても良かった。工藤はやっぱり無理のない程度の高音が素晴らしいですね。娘。の楽曲ではなかなか活かされることのなかった個性ですが、今後ステージを変えて、いろいろな形で活かされていったらいいなあ。

・オナに不安を打ち明ける一連のシーンが、その不安に説得力があってとても良かった。ただこれは、工藤の性質とフロルという役がぴったりハマったからこその説得力だったかもしれない。あとまりあのオナの不思議な説得力も相まっての相乗効果かな。

・「お前勝手だぞ!!!」が素晴らしい。

 しかし、「好きだから……」の歌唱はかなり振付に引きずられている感じがしたので、振付一切なしの状態でのびのび歌ったバージョンを見てみたかったな、と思う。歌の質も変わってきたんじゃないだろうか。

・終始無邪気で可愛い。タダが愛しさ満開の瞳でフロルのこと見てるぶん、なおのこと可愛く見える。

・ラストシーン付近、「言わなくていいよ」が可愛すぎた。こんな彼女が欲しい。

・そこからの「……聞こえる。俺さ、おまえがそう言うんなら……女になってもいいや」が、もうホントに最高。あの、これね、正直ウエストではちょっと、かなり軽く聞こえるんですよ。なんでもない台詞みたいに流れちゃうんだけど、これ、これね、フロルにとってはかなり重大なことなんですよ。重大な諦めと決意と、たくさんの希望と幸せにあふれた言葉なの!!! これを目線を外したまま、タダの腕に抱きしめられたままぽつんと言ったのは本当に大正解ですね。幸せがにじみ出てる。これまでのフロルには「女になる=不幸」でしかなかったのに、タダというひとに出会って、「こいつといるなら女になっても不幸じゃないかもしれない」と思って。でも信じきれなくて、信じたくて縋りたくて離れたくなくて、命の危険があるとわかってても傍にいたくて。そうしてようやく安心を手に入れたんですよ!!! タダといっしょなら幸せ。だから俺、女になってもいいや。なんですよ!!! なんだよこれもう泣ける!!! 泣くしかない!!!! うおおおおめでとうお幸せにな!!!!!

 

【バセスカ:譜久村聖

 安定してましたね。が、最初から最後まで安定していたがゆえに主役感が薄れ、準主役として枠に収まっていたような印象です。まぁこの演劇女子部のコンセプトとしてはそれで正しいんですが。

 もっといけたんじゃないかな、と思う反面、フクちゃんのバセスカとしてはこれがベストかもしれんな、とも思いました。

 かなり辛口な感じで始まりましたが、実は私的に、彼女はあんまり演劇に向かない人かな~という印象があるのです。というのも、どうも本心が読めない。感情が見えない。からっぽの、だけど底の見えないブラックホールのようなものが彼女の内面にある気がして、それがお芝居にも表れているような感じで、なんだかこわいのです。あと彼女も器用すぎて、近年特にスキルアップしてきていることもあり、台詞がそれっぽく読めちゃう。上辺はきれいにまとまってますが、内側はあまり練られてないかな、という印象。

 ともあれバセスカ、すごく頑張ってました。でも、うーん、やっぱこれ、フクちゃんの役じゃないなあ。

 フクちゃんの王様は、なんだかとてもつかみどころがありませんでした。威厳のある、高圧的な話し方と態度。まさに王様といった風貌。かと思えば、なんだか非常に気軽にタダやフロルともお話ししていらっしゃる。友達だから? うーんでも、『王様』してるときの姿とあまりに結びつかない。オナのこともどう思っているのかはあまりわからない。(でも逢引という言葉は非常にしっくりきた。ウエストの二人より、こっちの二人のがほんとに逢引してるかもな感あった。まりあオナがバセスカのこと好きなのが伝わるからっていうのもあるかもしれませんが)

 そして何より、フクちゃんの王様は常に「嘆き」の感情が強いんですよね。和平団殺害の犯人に仕立て上げられたことにも、もちろん「怒り」もあるけど、「嘆き」が強い。フォースに誤解をされて命を狙われていることにも、嘆いている。戸惑ったり、自分の想いを伝えようとしたりしない。そうしてフォースが死んだことも嘆き、その状況を生んでしまった自分や世界をも嘆き、自信もプライドも全部失って満身創痍での「私は……王だ」でした。悲しい。疲れた。でもフォースも死んじゃったし、もうどうでもいいや、おうちかえる。もうやだ。まぢ戦争止めたい。……いやここまで軽くはないんですが、でも根本にあるのはこんな感じだった気がします。ずっと嘆いてる。悲劇のヒロインならぬ悲劇の王様でした。それゆえに、変化しない、あまり成長の感じられない人だったように思います。

 これは演出部の力で、もっと変化つけてあげれたら良かったのになーと思いますね。フォースの死後、王様が覚悟を決めて真の王になる、あそこがこの物語のいちばんの大事なところでしょう!!!

 もちろんいいところもあります。フクちゃんは歌になると表現力が増しますね。歌を歌として歌うからかもしれませんが。良くも悪くも心底アイドルな子だ。

 リリウムでの末満さんはフクちゃんの使い方上手だったなあと改めて。あれはもう完全に、フクちゃんの魅力に合わせて役作ってますからね。「俺の思う萌える譜久村」ですからね!!!!でもそういうもんかもな演劇って!!!!アイドル舞台なんだものなおさらだよ!!!アイドルが魅力的に見えてなんぼ!!!男役ばっかりさせてる場合じゃないのよ!!!もっと可愛さ推していけよ!!!!!

 個人的にはオナみたいな聖女っぽいのもなんだか違う。トライアングルのイオタは役割的には合ってたように思いますが、うーん、もっとフクちゃんの魅力を前面に押し出すなら、リボンの騎士でいうミキティのやってたヘケートみたいなのですかね。フクちゃんはヒール(悪役)が非常に似合うと思う。ただの悪役じゃなくて、愛嬌のある、どっか可哀想な愛すべき悪役ね。ドロンジョ様みたいなやつだよ。ファラオの墓ではアンケスエンらしいですが、私的にはおいおいまたいつものかよ……もういいよそれ……もっとどぎついドエスな美女とかさせてくれよ……と思ってしまった……いやまあ安定して可愛いのはわかるんだけどな……

 あと、ほんのり宝塚好きとしては、ミーマイのマリアおばとかもめっちゃ似合うと思います。フクちゃんは意外とコミカルなほうが似合うかなー

 

【フォース:小田さくら

 小田ちゃんの歌声が活かされていたのが、フォースですね。

 しかし、あゆみんのところでも言いましたが、イケメンに縛られずもっと広い視野で「フォース」というひとを突き詰めた役作りをすればもっと良かったかな、というのと、小田ちゃんはどうもいろいろと技術がありすぎて、感情よりも技術で乗り切ってしまう節があるのがもったいないなあ、と思います。まあ、乗り切れちゃうからアリといえばアリなんだけど。

 フロルの「好きだから……」もそうですが、「迷いの森」の技術スゲエよマジで。あの妙な振付がなんであんな様になって自然にこなせるんだよ逆に怖いよ。

 野中との声の相性が悪いのか、尾形が不協和音をつくっているのか、西の三人でのシーンの歌唱はちょっとアレでしたが、ソロのときの響きの良さはほんと心地よい。

 小田ちゃんは歌を歌として歌うタイプですが、歌として感情がのせられる子なので、歌詞に圧倒的な説得力がありますね。小田ちゃんのフォースはなんだか美しく悲劇を演じて美しく散っていった、まさにお耽美の世界の住人だった…… ウエストの二人は泥臭さがありましたが、こちらのバセスカ&フォースはなんだかバラの香りを漂わせながらはかなく散っていった……

 しかし芝居の観点でいけば、ちょっと小田ちゃんも嘆きすぎてたな。

 もう小田フォースは完璧に、宇宙大学に戻ってきた時点でバセスカ殺す気ですからねあれ。バセスカが和平使節団殺したと思ってますからね。あゆみんのフォースが「友だちを信じたい、でも彼を殺さなければ家族が危ない」ことで苦しんでいるとしたら、小田フォースは「バセスカは友だちだから殺したくない」ことで悩んでいる、嘆いている。そこが東西フォースのでっかい違いだなー。当人たちがどんな解釈でやってたかはわかりませんが、私にはそういうふうに感じ取れました。そしてこの物語においては、前者が正解だろうな、たぶん。

 小田ちゃんもフクちゃんも嘆きまくってるので、「言葉がぶつかり合う」って言ってますが、お互い悲しんでるだけなんですよね。「信じてくれえ!(´;ω;`)」「友だちだけど、僕は君を殺すぅ!(´;ω;`)」ってなってるだけ……いや悲しい、悲しいよ。でも変化がないよもったいないよ。(ウエストの二人は、バセスカの「信じてくれ!」に対してフォースはそれが本当かどうかを見定めようとしていて、でも結局「本当かどうかは別として、僕は僕の国のため、家族のために君を殺さなければならない!それは譲ることができない!」になり、でもバセスカも頑として「国のため、民衆のために殺されるわけにはいかない!」なんですよね。信念をゆずることのできない二人の歌なんですよ!!!)これはいわば、物語で一番盛り上がるシーン。そして葛藤の歌なんですよね。それが単なる悲劇の歌になってしまったのが残念です。方向性正してあげたら、もっと違うものになってただろうに!

 しかし世間での評判はかなり良いので、もしかして私の感覚がおかしいだけなのかもしれません

 なんだか辛口に終わってしまったけど、個人的に小田ちゃんフォースのビジュアルがとても好みです。なんやこれ似合いすぎてるやろ……でこさく最高……

 

【チュチュ:野中美希

 さてさて、第二のヒロイン、チュチュですが……

 これについてはバセスカと同じく、イーストのチュチュはウエストに比べ、「変化の見えない人」でした。

 野中は芝居の方向性がフクちゃんと似てますね。フクちゃんにほんのすこしずつ、鞘師と工藤を足した感じ。かなり台詞に頼った芝居をするので、一見上手にできてるように見えますが、実質あまり心は動いていないように思います。

 まりあのチュチュは「悲しみが怒りを生み、闇落ちしたヒロイン(最後にはバセスカや主人公たちの働きもあって闇が晴れる)」でしたが、野中のチュチュは「悲しみ、嘆き、嘆き続けたヒロイン(最後にはなんかわからんが幸せになる)」って感じでした。もーさっきからそれしか言ってませんが、野中も嘆きすぎてます。主要人物が三人も嘆き続けてるものだから、ちょっともう、あの、どうにかしてやれ!!!!!!

 野中もやっぱり、ひとつひとつの感情を丁寧に感じて、素直に表現する訓練をしたほうがいいですね。自分のなかで感情つくって、自分の頭上らへんで発散させて、それに酔っている感じになってるのがもったいないです。 っていうかクラルスのときはわりと素直にできてたじゃないの!!! 感謝祭のときはちょっと酔い始めてますが、トライアングル本舞台のときはわりと良い線いってたんですよ、もったいない。誰かちゃんと軌道修正してあげて!!!!!

 まず、相手の台詞をきちんと聞くことから始めましょう。そして共演者の顔を、自分の役としてじっくり見ましょう。そうして湧き上がってくる感情を大切に。そうすれば、とってつけたように感じる台詞や段取り感が改善されてくるはず。

 歌は上手ですが、やっぱり台詞じゃなく完全な歌になってるのがもったいない。あとところどころ台詞や歌パートの前の間が待ち時間みたいになってるところがありますね。まだ板の上にきちんと立てず、浮足立っているような感じがしました。

 そして野中も、使いどころここじゃないな~という感じ。ファラオの墓ではナイルキアというバリバリのヒロインのようですが、実はあんまりヒロインに向いてる子でもないと思います。いや、できるだろうけど。器用だからな。でも本質の魅力を出せるのはそこじゃない気がする。

 んー、というか、もっと上達すれば鞘師みたいな、言うなればリリウムのリリーみたいな役が合っている気がする。ただ、それにはあと5年くらいは必要かなあ……。殻を破るきっかけがいる。チュチュはその殻を破るにはとても良い役だったと思うけど、うーん、つくづくもったいない。

 でも、ファラオの墓のナイルキアは非常に評判が良いみたいなので、きっととても上達したのでしょう。最近の野中の美しさは際立ってるので、そういう意味でもとても期待しています。

 

【オナ:牧野真莉愛

 良かった。とても。

 もうこの記事読んでる人たぶんみんな私のこと牧野オタか石田オタだと思ってると思いますが、違いますよ。歌とダンスは鞘師と小田ちゃん、演技は鞘師と工藤と石田と牧野に信頼をおいているというだけのことで、顔だけなら加入当初の光井愛佳と飯窪さんが最高に好みです。前髪ありの光井の可愛さスゴイぞ。あと鞘師がまた役者として舞台に立ってくれる日が来てくれたらいいなとずっと願ってますぞ。 ……おっと話がそれました

 まりあのオナ、妙な説得力がありましたね。あ、こいつほんとに超能力持ってるかも、心のなかまで見透かされてるかも感というか……。だけど言葉のすべてが本心で、真摯で美しい。「それさえ失わなければ、性別も、美醜も関係ないわ」の言葉が、なんだかほんとうに救われる気がした。あと、フロルの頬にそっと触れた瞬間、なんかこっちがドキドキした。やべえこわい、見透かされる、なんだこいつ美しい、やべえ、ってなった。

 まりあオナは王様のことほんとに好きなんだろうなっていうのが不思議に伝わってきましたね。ラストのチュチュがバセスカにキスするシーン、後ろで歌うオナの姿がなんだかとても切なくて、嬉しそうに、満足げにしているのが本当に切なくて、なんなのもう、おまえらちゃんと幸せになれよ、じゃないとオナが報われないわ……!!!てなった……

 ただひとつ。あの、まりあちゃん、そこまでバッキバキに踊らなくてもいいのよ……

 ……っていうのを、誰も言わんかったんか!? それも個性か!? いやいや、そこは尊重しなくてもいい個性だ!!!!

 やわらかな踊りを身に着ければ、今後の娘。としての活動にも活かせるでしょうに……うーん、でもこの短い稽古期間のダブルキャスト舞台では、なかなかそこまで行き届かないんですかね。もったいない。……じゃなくて!!!!振付がクソなんですってば!!!!!!振付がやりすぎなの!!!!!!オナの踊りはもっと抑えたやつでいいでしょ!!!動きは少なくゆったりしてるけど繊細な美しさが必要な感じの!!!!!!!お願いだからキャラクターに合わせた振付をしてください!!!!!!!

 でもホント、バキバキの振付は置いといて、まりあの演技には大満足でした。まりあはチュチュもオナも合ってましたね。というかたぶん、どんな役でもこなせるよこの子。オールラウンダーですよ、あゆみんタイプですよ。最初から最後まで気持ちが途切れないの。舞台としては当たり前のことだけど、演劇素人と言ってもいいアイドルの子たちのなかでは相当にすごいことやってますよ。ずっと「チュチュ」や「オナ」のままなの。一時たりとも牧野じゃないの。

 ぜひ今後、もっといろんな役をやらせてあげてほしいですね。

 女優牧野真莉愛、うまいこと育てば10年もすればエリザベート演じられるくらいの魅力を秘めてますよ。つうか現段階でも1幕くらいまでの年齢ならシシィできるよしっくりきすぎるよ。技術うんぬんは置いといてキャラクターと方向性の話ね。私の脳内でまりあシシィが譜久村ゾフィにいじめられて、まーちゃんフランツに「助けて、お義母さまがいじめるの!」って言ってますしっくりきすぎる。リヒテンシュタインがはるなん。……もっとおいしい役させてあげたいのにはるなんリヒテンシュタインがしっくりきすぎてるよ……!

 

【レッド:生田衣梨奈

 えりぽんがんばれ。いや、えりぽんは頑張ってる。(デジャヴ)

 台詞とか基本的なことはウエストの石頭で言ったのでアレですが、細かいところをひとつ……これは演出部への文句ですが。

 小道具のテープを出すとき、左手で出してたじゃない。あれ、思いっきり顔にかぶってるじゃない。顔にかぶらないようにするのなんて、基本中の基本じゃない!!!ウエストのきしもんは右手で出して掲げてたじゃない!!!!!!なんでそこ注意してあげないの!?!?!? 何かよっぽどの意図が無い限り、客席に尻を向けない、顔を隠さない!!!!!! きれいな顔が隠れちゃもったいないよ!!!!!!!

 んあああああえりぽんはホントに、使い方がもったいなさすぎる…!!!というかこれ事務所がえりぽんの魅力に気づいてないやろ!!!

 あのー、なので私が提案します!!! さっきフクちゃんのとこでも言ったけどね、宝塚にミーアンドマイガールっていう最高の舞台があるんですけどね、それに出てくるジャッキーっていう子の役とか、ああいうのがえりぽんにはめっちゃ似合ってると思います!!! 野心に溢れたグイグイいくタイプの女の子でね、男を足蹴にしてのし上がろうとするような子なんですがね、愛嬌があってめっちゃ可愛いんですよ!!! 歌もね、勢いで押せる感じのソロ曲があるんだけど、ああいう系だったらえりぽんの魅力が発揮されると思うんですよ!!! まあもちろん宝塚の舞台なんであれそのままやれとかアホなことは言いません、でも使いどころ考えたらみんないろんな可能性があるんですよ!!!!

 しかしファラオの墓のマリタは良かったらしいので楽しみにしてます(デジャヴ)

 

【トマノ:佐藤優樹

 本当に純粋な、子どものまま大人になっちゃったみたいなはーちんのトマノと違い、まーちゃんのトマノはなんだかバックグラウンドをいろいろと考えさせられる芝居でしたね。

 たぶんこの人、小さいころからなんでもできる弟といろいろ比べられて生きてきたんだろうなあとか、そういうストレスから逃げるために酒に浸って、しかも弟が自分をさしおいて王様になっちゃったから余計にヤケみたいになってるんじゃないのかとか……。この人、本当は自分だって王様になりたかったんじゃないでしょうか。「やったー!これでわしが王じゃー」とか「わしが王になれば酒も飲み放題!」とかの表現が、はーちんは言葉のままの意味しか持ってませんでしたが、まーちゃんのトマノは弟への当てつけみたいな感じがあった。どちらも物語として違った良さを生みますが、個人的にはまーちゃんのトマノが人間くさくて好きですね。弟の客に率先してよっぱらいっぽく絡んでいくのも、弟への当てつけでわざとやってんのかな、とか考え出すとゾクゾクする。

 しかし王様とトマノの二役、一番やらしたらアカン組み合わせちゃうかこれ……気持ちの切り替え大変やぞ……

 

【石頭:羽賀朱音

 あかねちんがんばってる。だが無理がある。無理があるんだよお!!!(´;ω;`)

 しかし、だんだんあかねちんがホントに石頭に見えてきます。顔似てるよね。つぶらな瞳がそっくり。(デジャヴ)(もしかして石頭はビジュアルで配役したんか)

 

【ローン:尾形春水

 無理がある!!!無理があるんだよお!!!!!!!!!!!

 いや頑張ってた!!!はーちん頑張ってた!!!でもやっぱこれは早すぎたわ、はーちんには無理があったわ……!!!

 娘。以外の女子部の子たちはみんな器用だからある程度おっさんだろうがなんだろうがこなしてくれますし、まぁ役の比重も違うんでアレですが、ローンおじさんは無理があるよ……はるなんの演技力と年齢があってこそ成り立ってたんだよ、はーちんの経験値では無理があるよ……

 復活を遂げたローンおじさんですが、なぜか微笑みをたたえながらの再登場。どうした……悟りでも開いたんか……いまそんなのんきにしてる場合とちゃうで……あんた甥っ子死んだんやで……いやまだ知らんのかな……なんかチュチュともあんまり信頼関係が見えへんな……おじさん……おじさん……?????????

 地道に演技力を積み上げるべきときにさせる役ではありませんでした。

 

アテナイ飯窪春菜

 可愛かった。美しかった。私ははるなんのお顔も前髪光井と並んでとても好きです。はあー美しい。

 でももっとはるなんに良い役をやってくれ。ファラオの墓の役もなんだかアテナイさん系のような気がして私は悲しい。もっと!!!感情を爆発させられるような役を!!!はるなんに!!!!!!

 

【アマン伯爵:浅倉樹々

 かわいい。

 誠実そうな感じが良かった。

 ……ほら!特に語ることないじゃん!!!もっと見せ場つくってあげてくれよ!!!

 

 あ、最後ハケる前に剣で威嚇する感じとても良かったですね。

 

【ドゥマー:小片リサ

 この子はほんと器用ですね。トライアングルのときも、なぜか嫌味な男が板についてたし、ドゥマーも「あー、こういう男いそう!!!」感あった。あんな若いのになぜだ。

 でもそろそろ悪役以外もさせてやってくれ。

 

 総評:タダとフロルを中心に、舞台として非常によくまとまっていた。

 

 タダとフロルの恋愛模様が軽くならず、戦争という重いテーマのなかで負けじと輝いていました。そのせいもあってかバセスカやフォースの苦悩、チュチュの怒り、そこから解放された瞬間のあっけないまでの静けさ、けれどまぎれもない平和という幸せ……みたいなあの感覚はすこし薄い。

 

【客演のお二人】

 あえて細かく書く必要はありませんね。客演として素晴らしい演技をしてくださいました。ありがとうございますの一言です!

 

 

 

 さて、長々と書いてまいりましたが、冒頭に話したウエストとイースト、どっちがいいのか問題……

 これね、結論、やっぱどっちって選べないんですよね。(オイ!とツッコミ入れられそう……)

 でも、自分のなかでどちらも見どころがはっきりしていて、それを目的にその日の気分で見るほうを選んでいるのが現状です。

 大きく言えばバセスカとチュチュの成長物語を観たいときにはウエストを、タダとフロルの恋のお話が観たいときにはイーストを、って感じですね。

 

 さて最後に、 私の考えるさいきょうの「続・11人いる!」配役 を披露しようかなと思います。

 

タダ:石田亜佑美

フロル:工藤遥

バセスカ:佐藤優樹

フォース:小田さくら

チュチュ:牧野真莉愛

オナ:譜久村聖

レッド:岸本ゆめの

トマノ:尾形春水

石頭:生田衣梨奈

ローン:飯窪春菜

アテナイ山岸理子

アマン伯爵:野中美希

ドゥマー:羽賀朱音

 

 

 あれ???これって……

 そう!!!基本ウエストの配役に、タダとフロルをイーストに変え、それにつじつまを合わせて行っただけなんです!!!

 だからいつもDVD見るたびに悔しくなるんですよ!!!あああ私の理想とニアピン!!!ニアピンなんだよ!!!!あああああああああ

 

 

 と、いろいろと辛口な、身勝手なことをたくさん申しましたが、こんなに面白いものを見せてくれて本当にありがたいです。モー娘。ほんとみんな頑張ってる。

 だが事務所、ほんとに、ダブルキャストとか2パターンとかやめてくれ。1日3公演とかやめてくれ。あなたたちが預かってるのは年若い女の子ですよ。身体を第一に、負担のないように考えてやってくれ……

 

 と言いつつ、いまもファラオの墓のDVD発売を楽しみにしているし、きっと翌年の舞台も楽しみに待つことになるでしょう。

 工藤が抜けたあと、どうなるんだろうなあ。このままの流れだと加賀ちゃんが工藤の後任イケメン枠におさまっちゃいそうだけど、いいかげん男役オンパレードな少女漫画原作から抜け出してほしい。

 事務所さんわかってる!?!?モーニング娘。だからね!!!ハロプロのアイドルですからね!!!!!役者としてはもちろんだけど、前提にアイドルとしての魅力を引き出すことがあるからね!!!!!!なんのために舞台しているのかを考えていただきたい!!!いやもしかしたら私などの及ばぬ考えがあるのかもしれんがさ!!!!!!

 

 以上です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。