あんずにっき

元役者が、役者視点でモー娘。や演劇女子部について語りまくります。

モーニング娘。‘17 小田さくらの魅力を存分に活かした舞台を考えてみる。

 久しぶりにリリウムを観たら、単純に感動したと同時に、やっぱこの舞台がいちばん小田ちゃん本来の魅力を正しく発揮できてるよなあと思ったので、このタイトルです。

 

 小田ちゃんってとことん器用なんですよね。器用で努力家だからこそ得をすることもありますが、演劇女子部においては割をくってる部分も多かった気がします。

 小田ちゃんのために用意された役って、実質はシルベチカだけだったんじゃないでしょうか。ローズウッドさんは消去法で小田ちゃんって感じがする。続11人いるでは、器用ゆえにフロルとフォースというおいしい2役でしたが、小田ちゃんのための役ではないと思う。ファラオの墓は未観劇ですが、小田ちゃんの本当の魅力を発揮できるのは男役ではないと思います。(そもそもモー娘。の舞台で半数以上を男役にする意味がわからんというのが私の意見ですが ※後述)

 

 オダベチカ、ものすごい衝撃でしたよね。

 末満さんは出演者の個々の魅力をうまく演出してくれるので、ステーシーズもリリウムも、みんなが女の子としての可愛さを発揮しつつ「こんなに可愛いアイドル達なのに、歌もダンスも演技もただのアイドルじゃない」っていう衝撃を与えられてた気がします。トライアングル以降は、良くも悪くもオタク向けな舞台になってるなという印象です。そりゃあ客の大半はモー娘。のファンなのでそれも正解かもですし、石田、工藤、譜久村なんかはそのなかでも個々の魅力を活かせるようなキャスティング(というか脚本自体)にしてもらってるのでまだ良いんですが、やっぱり素材としてもったいないなと思うのが小田ちゃんなんですよね。

 というわけで、小田ちゃんの魅力を存分に発揮できる舞台を考えてみようというのが今回の記事です。

 

 

・最大の魅力は、やっぱり歌。

 

 モーニング娘。‘17の小田さくら、そしてミュージカル女優としての小田さくらにおいて、いちばんの魅力はやっぱり、なんといっても歌でしょう。そしてあのミステリアスな雰囲気ね。

 このへんうまく使ってたのは、やっぱりリリウムです。小田ちゃんが出てきて歌うだけで、場の空気が変わる。完全に異次元になる。ほぼ台詞なんて無いのに、「私を忘れないで」の言葉だけで、歌詞だけで、想いが伝わる。存在感がやばい。かななんとの相性が良かったのもありますが、あのシーンはほんとに涙なしじゃ見れないですね。

 リリウムを観たあと、人それぞれ感想や好きな役者、そこからハマるメンバーなどいろいろだとは思いますが、おそらく誰もが「小田の歌スゲエ」と思ったはず。間違いなく小田ちゃんの歌に衝撃をうけたはず。「めいめいの演技スゲエ」と同じ感覚ね。

 この「スゲエ」って、すごい大事だと思うんですよ。決して主役じゃなくても、この「スゲエ」は観客に与えられる。マーガレットのあの空気感や歌も「スゲエ」し、工藤ファルスの狂気も悲しみも「スゲエ」。鞘師リリーの奥底にある静かな狂気も「スゲエ」、石田の演技センスも「スゲエ」。すべては書きませんが、あの舞台って、みんながそれぞれ魅力を発揮できてるんですよ。主役のスノウ・リリー・ファルスからマーガレット親衛隊まで、みんなに見せ場がある。それは台詞とか歌のソロパートとかそういうんじゃなく、ちゃんと「魅力を発揮できる場所」という意味での「見せ場」ね。

 話がそれました。

 そんな風に観客の、というか私の度肝をぬいてくれた小田ちゃんですが、トライアングルではその歌がイマイチ活かされずに終わっちゃうんですよね。ソロもあるけど、シナリオとしての見せ場っぽいものはあるけど、それは小田ちゃんの良さを引き出すものじゃなかった。

 続11人いるのフロルも、そりゃあ歌はうまかったですが、あんだけずっと出ずっぱりでしゃべって歌いまくってるとその効果が薄れるんですよね。慣れちゃうというか、インパクトが薄れる。そういう意味ではフォースの歌はインパクトありましたが、相方が似たタイプのふくちゃんなのでお互いに魅力を相殺し合っていて、しかも後半出番ないから見終わったときのインパクトも薄い。

 もったいない。もったいないぞ小田ちゃん!!! っていうか小田ちゃんに女の子役させないでどうすんの!?!?!?!?

 

・宝塚の名作『PUCK』

 

 またもや宝塚ですスミマセン。

 『PUCK』という舞台があるんです。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をもとにした舞台なんですが。

 これの初演で主役を演じたのが驚異の歌ウマジェンヌさんなんですが、主人公の妖精パックは人間の女の子に恋をしてしまって、その罰で妖精の王に声をとりあげられてしまうんです。(本当にしゃべれなくなるわけではなく、声を出すことを禁じられる)その後、その女の子のところで1年過ごすんですが、歌もセリフもラストまで一切なし。真夏の夜の夢版、人魚姫といったところでしょうか。

 冒頭でおそろしいほど魅力的な歌声を披露してたパックが、声をとりあげられちゃうんですよ。動きと表情だけの演技がめっちゃ良いのもありますが、長いこと美声をおあずけされてたことで尚更、ラストでパックがしゃべって歌った瞬間の衝撃がヤバいんです。あの感動を!!!あのゾクゾクを!!!小田ちゃんなら観客に与えられるはず!!!

 

・結論:小田さくら主演の「人魚姫」が観たいんです。

 

 さんざん『PUCK』の話をしましたが、小田ちゃんは妖精って感じじゃないんですよね。じゃあ何かって??? 水属性な小田ちゃんの雰囲気を活かしつつ、声の魅力を存分に発揮できる、そう人魚姫です。私は!!! 小田ちゃんで!!! 人魚姫が観たい!!!!

 さあ、想像してみてください。暗い舞台上。コポコポと水の音がして、幕が上がる。薄暗闇のなか、青や緑や紫や赤など、キラキラと光の粒が輝き始める。周囲が明るくなり、徐々に美しいシルエットが浮かび上がってくる。水のなか、岩の上に腰掛ける美しい小田ちゃん人魚が静かに口を開き、その歌声が響き渡る……――胸熱すぎてクサくなってしまいましたが、でもめっちゃ高ぶるっしょ。思えばすでにリリウムでやってたことですが、板付きで小田ちゃんが歌いだすとか、もうそれだけで観客を引き込める。

 安っぽくならないように気を付けてつくれば人魚の衣装はめちゃくちゃ可愛いだろうし、フライングとか豪華なセットがなくても振付で人魚っぽくすることもできるだろうし。最近の小田ちゃんは可愛い系よりもどう考えても圧倒的美人さんなんだけど、「世間知らずのほんわかした可愛い末っ子人魚姫」でいてほしい。えりぽんとかまーちゃんにお姉さん人魚をやってほしい。

 そんで、オープニングから畳みかけるように、バラード系やらポップな歌やら、王子様への恋の歌やら披露しまくって、かーらーの、声を奪われる演出ですよ! 魔女はふくちゃんかなー。まーちゃんも合いそう。んで声を失ってからは、台詞は一切なし。心の声としての歌とかはちょっとあっても良いかもだけど、んー、無い方がやっぱり最後のインパクトがあるかなあ。そのへんは演出次第ですね。

 小田ちゃんは器用なぶん台詞に頼るとこがあるなと思うので、台詞なしの芝居はすごくいい経験になると思うし、観ている側も小田ちゃんの意外な良さや可愛さをたくさん発見できると思います。

 

 そして肝心の王子様ですが……

 これまでの演劇女子部の流れでいけば即決工藤なんですが、もうどぅーは卒業しちゃいますからね。あと、工藤には普通の王子様は普通すぎてちょっと違うしな。

 王子様は石田がいいですね。でも、「王子様として出てきたけど実は女の子」とか、なんかそういうひねりが欲しい。というか、人魚姫のストーリーをそのままなぞる必要はないと思うし、むしろやるならいろいろ変えまくってほぼオリジナルストーリーな人魚姫が良い。

 他の誰かに王子様をさせるなら、あゆみんは隣国の王女ですね。でもこれも、「隣国の王女と見せかけて実は王子でした」とか、「実はスパイでした」とか、そういうのがいい。そんで最終的に人魚姫に惚れちゃうやつな!!! あゆみんにはそういう曖昧なものをやってもらいたい。たぶんすごい良い塩梅でやってくれるはず。

 私が個人的にとても期待している牧野ちゃんには、王子様の友人の貴族の男の子(町娘(ちぇる)に叶わぬ恋してる)とかやってもらいたいですね。

 なんかあんまりうまくまとまってませんが、いろいろ考えれて楽しいです。思い切って人魚姫を、歌で人を狂い殺せるセイレーンにしちゃうのもアリですね。小田ちゃんの歌ならそれでも説得力ある。

 

 

・まとめ。

 

 私は小田ちゃんの人魚姫がみたい。単純にこれだけの話でした。

 あと私的に、演劇女子部でハロメンに男役させるのは2、3人までにするべきと思ってます。男役って、レアだからこそ魅力が増すんやで……女の子ばっかりのなかにぽつんと男役が入ってるからこそ目立つし、ふとした瞬間の男っぽさがかっこよく見えるんやで…… 半数以上が男役になってしもたら、いいところよりも拙いところが目立ってしまうし、せっかくの「女の子が男役やってる」という魅力や個性が薄れるんやで……

 

 なんか非常に楽しくなってきたので、まじめにストーリー考えてみたくなってきました。いや、脚本とか書けないけどな。書いても仕方ないけどな。